カフェで集中してたら… 予想外の音が鳴り響いた話
静かな空間での集中
テストが近づいてきた頃、家だと集中できないので近所のカフェによく行っていました。そのカフェはあまり混んでいなくて、静かで落ち着いた雰囲気だったので、とても気に入っていました。みんなそれぞれパソコンを開いたり、本を読んだり、静かに思い思いの時間を過ごしているような場所です。
その日も朝からカフェに行き、テスト勉強を始めていました。周りの音も気にならず、良い感じで集中できていました。何時間か経って、少し喉が渇いてきたので、持参していたペットボトルのお茶を飲もうと思い、バッグから取り出しました。
静寂に響く「プシュッ」
集中していたせいか、少しぼんやりしていたのかもしれません。ペットボトルのキャップを開けようとしたのですが、普段より少し固く感じました。少し力を入れたら、勢いよくキャップが回り、「プシュッ!」という音が、静かな店内に想像以上に大きく響き渡ったのです。
一瞬、時が止まったように感じました。周りの人が一斉にこちらを見たような気がして、顔がカーッと熱くなりました。いや、実際はほとんどの人が気にせず自分の作業を続けていたのだと思いますが、あの瞬間は自分だけが世界から切り離されて、音の中心にいるような気がしました。
小さな音の破壊力
すぐに何事もなかったかのように振る舞おうとしましたが、心臓はバクバクしていました。たったそれだけの音なのに、あの静寂の中ではものすごく大きく感じられたのです。あの時の気まずさといったら、もう思い出したくありません。
幸い、誰も何も言いませんでしたが、自分の中ではしばらくの間、恥ずかしさが消えませんでした。それ以来、静かな場所でペットボトルのキャップを開ける時は、そっと、慎重に、そして周りの音を少しだけ意識するようになりました。小さな音でも、場所によっては意外なほど響くものだと身をもって知った出来事です。