え、どこいった!?自販機で取り忘れた飲み物
自販機で飲み物を買いました
大学の授業が終わって、ちょっとコンビニまで歩こうかなと思った帰り道でした。その日は少し日差しが強くて、なんだか無性に喉が渇いてきたのです。
ああ、何か冷たいものが飲みたいなあ。そう思った時、ちょうど目の前に自動販売機が見えてきました。ラッキー、と思って足早に自販機に向かいます。
ズラッと並んだ飲み物を見て、どれにしようか悩むのもまた楽しい時間です。今日の気分はこれかな、と一本選んでお金を入れました。ゴトン、という音と共に飲み物が落ちてくるのを待ちます。
あれ? 手ぶらだ…
無事に購入音が鳴って、表示窓にも「ありがとうございました」と出ました。よし、これで準備万端。冷たい飲み物を片手に、気分良く歩き始めようとしました。
自販機から離れて、数メートル歩いたでしょうか。ふと、手に何も持っていないことに気がついたのです。あれ? さっき買った飲み物は? どこにいったんだろう?
カバンの中やポケットをごそごそ探してみましたが、もちろん見つかりません。だって、私は手に持っていなかったのですから。
戻ってみたら、時すでに遅し
まさかと思って、慌てて自販機の方を振り返りました。そうです、私は購入完了の音だけを聞いて、安心してそのまま立ち去ってしまっていたのです。取り出し口から飲み物を取り出すという、一番大事な工程をすっかり忘れていました。
急いで自販機まで引き返してみましたが、時すでに遅し。私の飲み物は、もう取り出し口にはありませんでした。次に自販機を使った人が持って行ってしまったのか、それとも誰かが拾ってくれたのか。どちらにしても、もう私の手元に戻ってくることはないのだな、と悟りました。
数百円を失ったことももちろん残念でしたが、何よりショックだったのは、そんなうっかりミスをしてしまった自分自身に対する情けなさでした。喉の渇きは癒えず、トボトボとコンビニに向かったのを覚えています。
この出来事があって以来、自販機で飲み物を買った時は、取り出し口を二度見、三度見するようになりました。あの時の手ぶらのショックは、なかなか忘れられそうにありません。