自信作のはずが… 初めて作ったパスタがヤバすぎた話
初めての一人暮らし、自炊への挑戦
大学に入学して一人暮らしを始めた頃の話です。それまで実家で料理をする機会はほとんどなく、自炊といえばせいぜいご飯を炊くくらいでした。しかし、毎日の外食やコンビニ弁当ではお金もかかるし、栄養バランスも心配だと感じ、そろそろ自炊に挑戦してみようと思い立ちました。
最初に挑戦する料理は、手軽でおしゃれなイメージのあるパスタに決めました。特にクリームパスタが好きなので、市販のルーではなく自分でソースから作ることに挑戦してみようと考えました。インターネットで「簡単クリームパスタ レシピ」と検索し、いくつか出てきたレシピの中から、材料も少なめで手順もシンプルそうなものを選びました。
レシピ通りに…やったつもり
スーパーで材料を揃え、いざ調理開始です。玉ねぎやベーコンを炒め、そこに牛乳と小麦粉を加えてとろみをつける工程だったのですが、ここで早くもつまずきました。レシピには「弱火でゆっくり混ぜながら」と書いてあったのですが、早く完成させたい気持ちが先走り、ついつい火加減を強くしてしまいました。
するとどうでしょう。牛乳が温まるにつれて、鍋の底の方から何やら怪しい塊ができ始めたのです。最初は「これもとろみの一部かな」と楽観的に考えていたのですが、混ぜるうちに塊はどんどん増え、おまけに牛乳は分離したようなシャバシャバの状態になってしまいました。慌てて火を弱め、必死に混ぜるのですが、塊は一向に溶ける気配がありません。
謎の物体が完成
どうにかこうにかパスタを茹で終え、この謎の物体が浮かぶソースと絡めてお皿に盛り付けました。見た目は、 creamy というより grainy といった方が近いかもしれません。意気込んで一口食べてみると、想像していたクリーミーな風味はどこにもなく、味は薄いのに粉っぽい謎の風味が口の中に広がりました。さらに、あの塊が時折ガリっとした食感を生み出し、とても美味しいとは言えない代物でした。
一口食べただけで箸が止まってしまい、結局そのパスタはほとんど食べられず、泣く泣く処分することになりました。あの時の、期待していた美味しさとのギャップと、食材を無駄にしてしまったことへのショックは忘れられません。
料理は奥深いと知った日
この失敗から、料理は思っていたよりも繊細で奥深いものだと痛感しました。特に火加減や混ぜ方、計量の大切さを身をもって知りました。それ以来、レシピをちゃんと読んで、最初のうちはアレンジせずに忠実に作るように心がけています。あの伝説の失敗作パスタを思い出すと、今でも少しクスッとしてしまいます。