まさかこのタイミングで… 静かな場所でお腹が鳴った話
シーンと静まる講義室での出来事
大学の必修科目の授業でのことでした。大人数が受ける講義形式の授業で、先生が話しているときはみんな静かに耳を傾けている、そんな雰囲気の教室です。その日は特に先生が熱心に説明されている箇所で、教室全体がピンと張り詰めたように静まり返っていました。
空腹と恥ずかしさの板挟み
朝ごはんを慌てて食べてしまい、あまり量が食べられなかったことを思い出しました。授業が終わればすぐにお昼休みなので、あと少しの我慢と思っていました。ところが、先生の話が佳境に入り、教室の静寂が最高潮に達したその時、お腹のあたりから何やら怪しい気配がしてきました。まずい、これは鳴るかもしれない、と思ったのですが、どうすることもできません。
よりによって、この瞬間に
そして、避けたいと思っていた瞬間が来てしまいました。先生が何か重要なポイントを強調しようと一瞬言葉を区切った、まさにその「間」を狙ったかのように、「キュルルルルルル……」と、想像以上に大きな音がお腹から鳴り響いたのです。しかも、短い音ではなく、やけに長い。静かな教室に響き渡るその音は、自分にしか聞こえていないはずがない、と確信できるレベルでした。
その後の気まずさと教訓
恥ずかしさで顔がカッと熱くなるのを感じました。思わずお腹を抑えましたが、もう後の祭りです。周りの人が一斉にこちらを見たような気がして、いたたまれませんでした。実際には、気のせいだったのかもしれませんが、当時はもう穴があったら入りたい気持ちでいっぱいでした。その日以来、静かな場所、特に授業前には、何か少しでもお腹に入れておくように強く心掛けるようになりました。あの時の「キュルル」の音は、今でも時々脳内で再生されて、一人でクスッと、いや、ゾッとしてしまいます。